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接待ゴルフ中の負傷、また行き帰りでの交通事故は労災として認定されるか

労働時間とは、使用者の指揮命令下に置かれている時間をいい、実際に事業所内での通常業務に限らず、参加が業務上義務づけられている研修や教育訓練等についても労働時間として取り扱う必要があります。なお、研修・教育訓練等が従業員の自由参加となっている場合には、労働時間としての取り扱いは不要ですが、参加しなかったことで制裁を受ける、人事評価が下がる等従業員が不利益を被る場合には、参加が業務上義務づけられているものとみなし、労働時間としての取り扱いが必要となります。

運動競技が業務行為として認められる場合には、次の要件が必要となります。

イ. 運動競技会出場が、出張または出勤として取り扱われるものであること

ロ. 運動競技会出場に関して、必要な旅行費用等の負担が事業主において行われ(競技団体等が全部または一部を負担する場合を含む。)、労働者が負担するものではないこと

 

上記通達を元に、取引先との接待ゴルフでの災害が労災として認められるには、この接待ゴルフが出張や出勤として取り扱われていること、会社での費用負担が行われていることが前提と考えられます。なお、過去の判例では、取引先とのゴルフコンペに会社命令で出席する途中での交通事故死について、費用負担を会社が行っていたとしても、これだけで労災として認められるものではなく、ゴルフコンペの出席が事業運営上必要であり、その従業員が業務として出席した場合に限り労災が認められるものとされています。

接待ゴルフへの参加が会社によって業務上義務づけられている場合には、労働時間(休日の場合は休日労働)として取り扱う必要があると考えられます。

一方で、接待ゴルフへの参加を労働時間として取り扱うだけでは、通常、労災認定はされません。参加が明確な会社指示の下、商談を兼ねたものであり(参加の有無が人事評価に影響する)、また、事業運営上の必要性(大口契約の内容や、契約に至る接待ゴルフとの因果関係)などの状況が揃う場合には、労災として認定される可能性もあります。

会社は従業員に対して、その生命、身体等の安全を確保しつつ労働することができるよう、会社において配慮する義務(安全配慮義務)があり、特に接待ゴルフへの参加が労働時間に当たる場合、安全配慮義務が問われることも考えられます。また、労災認定がなされず、労災保険の治療費や賃金補償等がない場合、従業員の生活に支障を来すおそれもあることから、会社としての補償については、別個に検討する必要があります。(岡本)

 

 

 

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