労働組合対応について
労働組合の対応につき、団体交渉の進め方など実践的なアドバイスを行ないます。
また、団体交渉にも必要に応じ、委託を受け交渉委員として出席いたします。
社会保険労務士が団体交渉に関与するメリット
- 企業側のメリット
- 労務の話は、会社の社長が全部把握しているということは、なかなかありません。
労務の専門化である社会保険労務士に隣にいてもらうだけで、会社の経営者としては安心です。
組合から質問を受けて細かなところについて説明する必要がでてくると、間違った説明を会社がしてしまう可能性もあります。隣に社会保険労務士という労務に関する専門家がいるわけですから、組合に言いたい放題言われ、不利な妥協を強いられる事態が避けられます。 - 組合側のメリット
- まず、使用者側の正確な話が聞けます。
社長や部長に団体交渉に出席してもらっても、労務の専門でない場合は、回答がしっかりできない場合があります。
それよりも、社会保険労務士にきっちり説明してもらったほうが話は早く、事実関係の整理が早いという場合もあるからです。
これだけはやってはいけない
3つの例
1.団体交渉の拒否・無視
法律により正当な理由がないのに、団体交渉を拒むことはできません。たった一人加入しただけの労働組合とも団体交渉を拒むことはできません。
しかし、団体交渉をすることと、申入書に書かれている要求を受け入れることとは別問題です。必ず会社が譲歩する必要もありません。まず、冷静になり対応していくことです。
2.団体交渉申込書のとおりに開始する
送られてきた団体交渉申入書には「日時」「場所」「協議事項」「参加者」などが記されています。ここで重要なのが、日時と場所です。たいてい就業時間内に会社の会議室などを指定してきますが、その日時・場所で交渉する必要はありません。必ず、交渉時間は就業時間外にします。その他、参加者の人数も事前に決めておくようにしましょう。
3.労働組合を辞めるように交渉する
労働組合に加入した組合員に対して、労働組合を辞めるように説得したり、辞めないと解雇することや減給する(昇給する)・異動させる・・これらはすべて不当労働行為とされる可能性があります。
労働者が団結することや、団体で交渉することは、日本国憲法で認められた大変重い権利だからです。
以上、3つの行為は、いままで関与した企業でよくとられた行為です。これらは、労働組合に有利になるだけで、会社にはなんの得にもなりません。絶対にやらないようにしましょう。
個別労使紛争増加の
現状と労働組合
多くの社会保険労務士が、コンサルティングを通して企業の労務管理に活躍しています。
経営者・担当者の方との面談を通じて、企業の労務分野におけるコンプライアンスの周知や個別労使紛争の未然防止を図っています。
ADR制度や労働審判制度が導入されたことで、不払い賃金・退職金などの支払を求める事件が増えています。また、訴訟事件も急増しています。
厚生労働省の発表によれば、個別労使紛争の「総合労働相談件数」は、全国で113万件。その相談内容は「解雇」「いじめ・嫌がらせ」「労働条件の引き下げ」に関するものが上位を占めています。
なお、近年は「解雇に関する相談」が減り、退職強要等に関する「自己都合退職に関する相談」が増加しています。
また、個別労使紛争であった事案が、ある日突然、ユニオン(合同労組)からの団体交渉事項に移るケースも増えています。団体交渉の申し入れに応じないと「不当労働行為」として追及されることにもなります。