行政官庁による調査対応

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行政官庁による調査対応について

時間外労働に関する労働基準監督署の指導が増加しています。その背景には、過労死が労災となる場合についての要件が拡大されたことが挙げられますが、その予防対策としての取締りが強化されたわけです。併せて、残業手当の未払い(賃金未払残業。いわゆる「サービス残業」)の取り締まりも強化されました。

労働基準監督官が交付する是正勧告書は「行政指導」であり、これを遵守(改善)しないことによる罰則はありません。しかし、是正勧告書という行政指導文書に書かれている内容は、罰則のある法令違反事項そのものですから、本来の違反行為を基に検挙(送検)されることがあります。したがって、行政指導文書である是正勧告書に書かれたことに対応する形で、改善を図る必要があります。

監督官の仕事は、過去の不払いとなっている割増賃金を支払わせることではなく、企業に対して法令違反を改善させることを職務としています。このため、監督官の立入調査において一部労働者に関する違反が確認できれば、それを基に全社的に再点検し、差額を調査・確定して遡及支払するようにとの文書になることが多いのはこのためです。

ご提供できるサービス

定期監督
毎年度の行政課題に見合った監督計画により、リストアップした事業所へ法令が守られているのかを確認します。法令違反が発覚した場合には「是正勧告」を行います。
申告監督
従業員が「サービス残業」「不当解雇」「賃金不払」などによって労働基準監督署に駆け込んだ際に、その申告内容の確認を行います。
災害時監督
一定規模以上の重大な労働災害が発生した場合に、原因究明と再発防止のために労災発生後速やかに行われます。法令違反が見つかった際には「是正勧告」を行います。
再監督
過去に是正勧告を行った会社は、改善内容を「是正報告書」という形で労働基準監督署に提出します。これを提出していない場合、または提出していた場合でも時として再調査が行われます。改善されていない状況が明らかになった場合は、原則として刑事事件に切り替えます。

事前チェック・対応策の検討並びに立会いまで行ないます

労働基準監督署や年金事務所等、行政官庁の調査に対し「事前のチェック」「対応策の検討」「立会い」を行ないます。

  • 事前のチェック
  • 対応策の検討
  • 立会い

是正報告書や指導書を
受け取った後にすること

改善するように指導された事項を、期日に従って計画的に改善していくことになりますが、事業主や責任者だけで処理せず、改善すべき点とその方法について、従業員を含めて社内共通の認識としなければなりません。また、一般労働条件についても指摘事項を従業員に明らかにしたうえで改善することは、従業員の士気を高めるために重要な方法です。

是正期日に間に合わないとき

プレス機械の安全装置の設置などについて、使用停止命令書が交付されると是正されるまで使えません。しかし、就業規則の作成などで、是正期日までに間に合わない時は、作成の進行状況と遅れる理由を説明して納得してもらえれば、延期は可能です。

是正勧告を放置していると・・

法律違反が確認されたからといって、その場で罰金の支払を命じられることはありません。また、臨検監督が突然に司法捜査に変わることもありません。通常の臨検監督をそんなに恐れる必要はありませんが、放置しておくと書類送検される可能性はあります。
是正勧告書に記された期日までに改善が間に合わなかったようなケースで「明らかに勧告を無視していた」ケースと、「勧告を真摯に受け止め早急な改善を図ろうとしたものの、予算のやり繰りでやむを得ず改善が遅れてしまった」というケースでは、再監督時における監督官の対応に違いがあるとは一概に言えません。しかし、明らかに勧告を無視していた場合には、監督官の心証を害します。
放置しておくよりもまずいのは、虚偽の申告をすることです。虚偽の報告がなされた場合、従業員の通報で嘘がわかってしまうことがあり、新たに労働基準法第120条違反(虚偽の報告)となる可能性があります。遅れる事情や、できない理由を説明して、誠実に対応することがもっとも大切です。

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