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身元保証契約の問題点と身元保証契約における機関保証事業者を利用するメリット

身元保証契約は、これまで、主に、企業が従業員を採用する際に身元保証書を従業員の親族や知人などから受領することにより締結されるのが一般的でした。

身元保証契約を取り交すメリットは、企業側からすると、①従業員が問題行動を起こすことの抑止効果、②従業員が会社に損害を負わせた際の身元保証人からの債権回収、③従業員に何かあった場合の情報収集・情報交換に活用することができること、などが挙げられます。多くの企業が、身元保証人には従業員の親族(親、配偶者、兄弟姉妹等)を指定することが一般的でした。

令和2年4月施行の改正民法により、身元保証人が個人の場合には極度額(保証人が負担すべき額の上限)を書面または電磁的記録で明記することが義務付けられ、当該記載がない場合は無効となりました。

 

実務上、企業の対応を大まかに分類すると、以下の通りです。

ケース① 具体的な金額を記載するケース

例「身元保証人の責任は金500万円を上限とする。」

ケース② 月収から換算するケース

例「身元保証人の責任は月額基本給の6ヶ月分を上限とする」

 

「極度額は『○○円』などと明瞭に定めなければならない」とされており、今回の改正の趣旨(将来的に保証人が想定外の債務を負うことの抑止)を鑑みれば、ケース②では、「但し、金〇〇円を上限とする」との一文を追加し、身元保証人が負うべき責任の範囲を明確化することが望ましいといえます。

極度額が明記されることになったことにより、昨今、個人の身元保証人が身元保証契約の締結に難色を示すケースが散見されます。採用企業は保証人のなり手が不足している中で極度額の設定(金額が少なすぎると実際に従業員が会社に損害を負わせた場合に身元保証書に請求ができないため実効性のある金額にしたいが他方で身元保証人が負担を感じない極度額にする必要があり極度額をいくらにするか悩ましい)に企業は苦慮します。

昨今、身元保証契約においても機関保証事業者が台頭してきています。機関保証事業者を利用する場合には、同事業者は、身元保証契約を締結するにあたり、従業員の資力、犯罪歴、職歴をはじめとして、様々な情報を従業員から聴取し、保証審査を行います。個人が身元保証人である場合と比べ、従業員が会社に損害を負わせた場合は、機関保証事業者が代位弁済を行いますので、企業側は債権回収が非常に容易になります。機関保証事業者を利用することは、企業側のみならず従業員側にもメリットがあります。身元保証人を確保することができない故にこれまで就労を断念してきた人に就労の機会が生じます。

核家族化、身元保証人のなり手不足等によって、ますます身元保証書の提供が困難になることは明らかです。安定的な事業運営を考えた場合に、従業員の問題行動の抑止力としても機能してきた身元保証制度をなくすことは慎重になります。身元保証を専門に扱う機関保証事業者の利用も含めて、事業体に合った身元保証制度を確立することが急務です。(岡本)

 

 

 

 

 

 

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