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妊娠・出産を申し出た従業員に対する育児休業に関する制度の個別周知・意向確認義務

育児・介護休業の改正法により、この4月以降は、従業員本人または配偶者の妊娠・出産等について従業員から申し出があったときは、当該従業員に対して育児休業に関する制度等について知らせる(個別周知)とともに、育児休業等の取得の意向を確認するための面談等の措置(意向確認)を講じることが事業主に義務付けられます。

この申出の方法について、法令には特に定めがありませんが、自社のルールとして申出書の様式等の提出によることとする場合は、その様式による提出が必要であることをあらかじめ社内で明らかにしておく必要があります。ただし、その場合でも、申出方法が法令で書面等の提出に限定されていないことから、様式等の提出によらない方法(口頭)での申出であっても、個別周知・意向確認の実施は必要です。

なお、妊娠・出産等の申出があった際に、母子健康手帳の写し等の証明書類を提出させることについては、法令上、証明書類の提出を義務付けることができる旨の定めはないため、求めに応じて本人が任意で提出することは問題ありませんが、仮に証明書類の提出がなかったとしても申出自体の効力には影響はありません。したがって、申し出を受け付けないことや、個別周知・意向確認の措置を実施しないとすることはできません。

個別周知と意向確認は、従業員本人または配偶者が妊娠・出産したことについて申し出があった場合、原則として、すべての申出者に対して個別周知と意向確認の措置を実施する必要があります。例えば、妊娠・出産の報告があった場合に、「育児休業を取得するつもりはないので制度周知は不要」と従業員が言ったとしても措置の実施は必要です。

また、申し出時点で育児休業の対象者でない場合(例:労使協定で除外している入社1年未満の労働者)でも、後に育児休業の対象となる可能性がある場合は、個別周知を実施する必要がありますが、意向確認の措置については、その時点では育児休業の申出はできないため実施する必要はありません。また、前述の例の入社1年未満の従業員について、入社1年以上となるときには子が1歳を超える等、今後育児休業を取得する可能性がない場合については、育児休業の制度の対象とならない旨の説明をすれば足りるとされています。一方、これらの措置はあくまで申出があった者に対して行う必要があるものであり、子が生まれるすべての労働者に実施が求められるものではありません。

個別周知の内容は、以下の4点を必ず含んでいることが必要です。

①育児休業に関する制度

②育児休業の申出先

③雇用保険の育児休業給付に関すること

④労働者が育児休業期間について負担すべき社会保険料の取り扱い

 

①については育児休業の対象者、休業できる期間、申出期限等、②は人事部等の育児休業申出書の提出先等、③については、雇用保険の育児休業給付が受けられる旨や給付金の支給率等、④については社会保険料の免除が受けられる要件等を周知することが考えられます。また、育児休業の前後に利用できる制度(産前産後休業、母性保護措置、子の看護休暇、所定外労働の制限、時間外労働の制限、短時間勤務等)について、制度の周知と利用促進のため、併せて周知することも考えられます。(岡本)

 

 

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