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配置転換命令の通常甘受すべき程度を著しく超える不利益と考慮すべき事情

新型コロナウイルスの影響で、企業では事業規模の縮小、営業所の統廃合などにより従来とは異なる人事配置を検討せざるを得ない状況になっています。従業員に対して配置転換を命じる際、特に転居を伴う場合には、従業員から断られるケースも増えています。

配転命令の有効性に関する労働者側の事情について、裁判所は「労働者に通常甘受すべき程度を著しく超える不利益を負わせる場合」には配置転換が無効になるといっています。そのため、従業員が主張する不利益が、そもそも通常甘受すべき程度の不利益を超えるものなのかどうか、仮に通常甘受すべき程度の不利益を超えるとしても、その程度が「著しい」ものかどうかを考える必要があります。

従業員としては、配置転換により何らかの不利益を被ることはあります。ただ、それが配置転換を行うことによって通常想定されるものであれば、それは配置転換を拒否する理由にはなりません。あくまで通常甘受できない程度を「著しく」超える不利益があるかどうかです。このことについては、従業員に丁寧に説明する必要があります。

実務上は、従業員側の事情で配置転換に応じられない理由に多くあげられるのは、育児や介護です。「ワークライフバランス」という観点から、仕事だけでなく家族との時間を尊重することの重要性が叫ばれています。育児・介護休業法第26条では「事業主は、その雇用する労働者の配置の変更で就業の場所の変更を伴うものをしようとする場合において、その就業の場所の変更により就業しつつその子の養育又は家族の介護を行うことが困難となることとなる労働者がいるときは、当該労働者の子の養育又は家族の介護の状況に配慮しなければならい。」と規定されており、指針において、同配慮の内容について「①その労働者の子の養育又は家族の介護の状況を把握すること、②労働者本人の意向を斟酌すること、③転勤の場合の子の養育や家族の介護の代替手段の有無を確認すること」を例示しています。

また、当然、育児・介護休業法に基づく様々な制度を従業員側が利用できる場合であれば、その内容に従って会社は対応することになろうかと思いますし、テレワークなどの柔軟な働き方によって、問題を解消できるケースもあります。したがって、従業員から家庭の事情について相談や申出があった場合、会社はその内容を確認、検討する必要があります。

一方で、会社の就業規則や雇用契約上、従業員に転勤を含む配置転換が予定されているような場合には、会社の人事権も尊重されるべきです。そのため、会社も従業員もそれぞれの立場の主張に固執するのではなく、相手の立場も考え、話合いにより納得して配置転換を行うべきです。(岡本)

 

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