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「有為な人材確保・定着を図る目的」を賃金等の待遇差の理由とすること

パートタイム・有期雇用労働法8条では、通常の労働者と短時間・有期雇用労働者との間の個々の待遇の格差の相違が「不合理」でないかは、職務の内容、当該職務の内容および配置の変更の範囲、その他の事情のうち、当該待遇の性質・目的に照らして適切と認められるものを考慮して判断されます。

正社員(正規雇用労働者)について、長期雇用制度がとられることが多い我が国の企業においては、正社員に関して「長期雇用に対するインセンティブを付与して有為な人材の確保・定着を図る」目的があるなどとして、非正規雇用労働者より厚遇することがあります。これを「有為人材確保論」などといいます。

最高裁は、大阪医科薬科大学事件では賞与について、メトロコマース事件では退職金について、それぞれ「正社員としての職務を遂行し得る人材の確保やその定着を図る」という使用者の「目的」を認定し、結果として、当該事案において、正社員に賞与・退職金を支給し、有期雇用労働者にこれを支給しない相違が「不合理」でないと判断しました。

この点、最高裁は、賞与、退職金一般について、長期雇用のインセンティブという目的があると認めたものではないことに注意が必要です。すなわち、賞与については、賞与の算定基礎となる正社員の基本給が勤続年数やそれに伴う職務遂行能力の向上に応じた職能給の性格を有すること、また、正社員についてはおおむね業務の難度や責任の程度が高く、人事異動も行われていた等を踏まえて、賞与に長期雇用のインセンティブという目的があったことを認定しています。
また、退職金についても、退職金の算定基礎となる本給に年齢給や職能給の性質を有する部分があること、また、正社員が業務の必要により配置転換を命ぜられることもあった等を踏まえて、退職金における長期雇用のインセンティブという目的を認めています。

基本給や各種手当の使用者が支給する賃金、賞与、退職金等の制度は各社各様ですから、長期雇用に対するインセンティブを付与する趣旨が及ぶかどうかは、それらの支給要件、支給基準、支給実績に照らし、各待遇について個別具体的に検討する必要があります。(岡本)

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