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待遇差の説明義務

改正パート・有期法の目玉は、待遇差の説明義務です。待遇差に不満を持つ非正規社員は、今後は、裁判前に待遇差の説明を求めてくることが想定されます。

「同一労働同一賃金」への対応において、「これさえやっておけば大丈夫」といった裏技的なものはありません。手間はかかりますが、待遇ごとに就業規則などの条文を見て、趣旨や待遇差の内容を確認したうえで、待遇差がある部分の理由を裁判所の判決内容や行政の指針「同一労働同一賃金ガイドライン」を参考に検討していく。ただ、その検討でも重点の置き方は意識しておく必要があります。

不合理な待遇差に該当するか否か(均衡待遇規制)の要素判断には、3つの要素(職務の内容、職務の内容及び配置の変更の範囲、その他の事情)がありますが、重要なのは、職場内で非正規社員にも見えやすい「職務の内容(業務の内容及び責任の程度)です。実際、非正規社員がもつ待遇差に関する不満は「同じ仕事なのに待遇が違う点」であることが多い。そのため、正社員だけが担当する業務内容や、金銭管理やクレーム対応、緊急呼び出し時の対応義務のような責任・義務の違いが重要になります。

次に、非正規社員の「職務の内容及び配置の変更の範囲」では、「役職」と「出向・転籍」に注意が必要です。非正規社員に正社員と同様の役職を付与していたり、就業規則等で非正規社員にも出向や転籍を命令できるようになっていたりすると、正社員と「人材活用の仕組み」が共通していると判断されるリスクがあります。

改正パート・有期への対応として、正社員の手当や休暇を整理・統合し、非正規社員との待遇差自体を解消してしまうことも考えられます。ただ、この場合は就業規則の不利益変更の問題がありますし、労働組合がある場合は、労働協約との整合性も検討する必要があります。

非正規社員の待遇を見直す場合は、待遇の相互関係を意識してシュミレーションをすることが必要です。手当の新設や金額の変更は、割増賃金の計算に影響する場合がありますし、待遇変更の時期についても、社員ごとの契約変更時期に実施するのか、一斉に実施するのかという問題があります。(岡本)

 

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