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コロナ・ハラスメント

新型コロナウイルスの感染拡大に伴って、様々な嫌がらせやハラスメントが起こっています。それらは、一般的に「コロナ・ハラスメント」と呼ばれています。コロナ・ハラスメントの明確な定義はありませんが、厚生労働省の新型コロナウイルスに関するQ&Aには「新型コロナウイルスに関連したいじめ・嫌がらせ等」という表現があります。職場においては、以下のようなハラスメント(ハラスメントになりかねないものを含む)が起こっています。なお、マスクの着用を求める言動は、ハラスメントかどうかはともかく、言い方によってはトラブルになりやすい例です。

□治療や隔離を終えて復帰してきた人への言動
「陰性証明を持ってきて」「よく出てこられるね。うつったらどうしてくれるの!」「迷惑だから、出社しないで、テレワークにして」
□感染した人の家族や濃厚接触者への言動
「なんで家族が感染したのに平気で出てこられるの。職場に来ないでほしい」
□感染した人のプライバシー詮索、噂の流布
「自粛していればコロナにかからないのに、どこへ行ったの?」「あの人は、夜の街で感染したらしい」
□感染拡大地域から来た人への言動
「東京から出張で来る人は危ない。近寄らない方がいい」「外国からの入国者は危険」
□マスクをしていない人への言動
「なんでマスクしないの!そんなことも守れないの?」
□咳をする人への言動
「コロナじゃないの。会社に来ないでテレワークして」
□上位者が強いるもの
部長がマスクせずに会議で大声で話す。部下たちは逆らえず、我慢するしかない

コロナ・ハラスメントを防ぐには、社員一人ひとりにルールやマナーを守ってもらわなければなりません。意識向上のためには、ルールやマナーについて周知啓発することが必要です。厚生労働省は、新型コロナウイルスに関連したいじめ・嫌がらせは、パワーハラスメント(パワハラ)に該当する場合があるとしています。したがって、パワハラ防止法やパワハラ防止指針について伝えていくことが必要です。ただ、コロナ・ハラスメントをパワハラの枠組みに当てはめるのは、難しい面もあります。コロナ・ハラスメントは同僚間で起こるものが多く、パワハラの要件としての「優越的な関係」を満たさないケースがあるからです。職務上の優位性を持つものでもなく、相手が抵抗または拒絶を示しているものに関しては、パワハラと位置付けることはできません。
職場内では、マスクに関するトラブルも少なくないようです。経団連の『新型コロナウイルス感染予防対策ガイドライン』を自社向けにカスタマイズして利用するのがよいでしょう。なお、感覚過敏などでマスクをつけることが難しい人もいますから、そういう人には配慮すべきです。

社員に対して、コロナ関連のハラスメントについて十分に周知啓発しておらず、懲戒処分もあり得ることを伝えていない場合は、初回の段階では懲戒処分は見合わせた方がよいでしょう。ハラスメント行為の再発を防ぐための「観察・指導」の措置が適しています。観察・指導をするには、当事者たちの上司の協力が必要です。上司にモニター(観察)してもらい、ハラスメント行為が見られたときには、すぐ指導してもらいます。そのうえで、人事部門に連絡し、再発の場合には初めて懲戒処分も視野に入ってきます。(岡本)

 

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