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契約社員との契約終了

期間の定めのある労働者(有期雇用労働者)の契約期間中の解雇は、労契法17条により「やむを得ない事由」がある場合にしか認められず、正社員の解雇よりも困難です。そのため、有期雇用労働者の雇用調整が想定される場合は「契約期間」と「契約終了」の設定が重要になります。現状は新型コロナの影響に伴う特例措置により雇用調整助成金で契約更新している企業においても、更新後の「契約期間」では従前の期間(半年・3ヶ月)を、事情説明の上で短縮(1ヶ月程度)しているケースもあります。

有期雇用労働者の雇用調整(削減)の際、いきなり「雇止め(契約不更新)」とするのではなく、猶予措置として、1回は更新するが、その後の更新は行わない「不更新条項」を設けた雇用契約書が締結されることがあります。このような「不更新条項」により更新の合理的期待が放棄されているとして雇止めを有効とした裁判例もあり、雇用契約書自体に「不更新」を明記する方法で完全に雇止めの紛争リスクを防止できるものではありませんが、規定文言やその際の説明方法によっては紛争リスクの軽減が期待できます。

いずれにせよ、更新後の労働条件を変更した理由や不更新条項の趣旨については、有期雇用労働者側に説明しておくべきです。書面だけを変更し何も説明しない対応は、社員側が気付けば不信感を持ち、裁判になった場合でも会社側の不適切な対応として、不利に評価される可能性があります。

なお、有期雇用労働者には雇用契約書ではなく労働条件通知書を交付する方法が採られることがありますが、企業が提示した契約内容への「合意(同意)」を明確にするためにも、有期雇用労働者に「内容の説明を受け承知した」等の一文に対して署名・捺印をもらっておくべきです。

長期間にわたって契約更新している有期雇用労働者については、労契法18条の無期転換権の発生を確認しておく必要があります。会社側が雇止め(契約不更新)とした場合でも、契約終期までに無期転換権が行使されて、無期転換した労働契約が存続する可能性があるからです(無期転換した労働契約を終了させるためには、別途、解雇等の措置をとる必要があります)。仮に、労使合意により契約終了(合意退職)とする場合には、無期転換権の不行使や転換後の無期契約の終了についても合意事項としておく必要があります。(岡本)

 

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