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退職勧奨

 新型コロナウイルスの影響で事業縮小に伴う雇用調整を余儀なくされている企業が多くあります。退職勧奨は雇用する従業員に対し、退職の条件を提示するなどして退職を促し、従業員との合意により退職してもらうやり方です。会社が一方的に雇用を打ち切る解雇と比較して紛争になりにくい雇用の解消方法です。

 退職条件では、まず退職金は自己都合退職か、会社都合退職かで金額が変わることが多くあります。退職勧奨の場合、退職金規程の支給係数は会社都合にするのが一般的です。

 なお、希望退職の募集を実施したものの、予定人数に達しなかったために退職勧奨を行う場合の特別(上乗せ)退職金の額はどうするかは悩ましい。希望退職募集時に特別(上乗せ)退職金を提示しても退職に応じなかったのですから、より高額の特別(上乗せ)退職金を提示しなければ退職勧奨に応じてもらえない可能性が高い半面、希望退職募集に応じずに退職勧奨を待って退職した方が特別(上乗せ)退職金の額が高くなるのでは、希望退職募集に応じた者との間に不公平が生じる結果となります。「正解」があることではないので、事案に応じて個別に判断することになります。

 退職した時点で残っている年休を買い上げることもあります。残年休の買い上げを約束することにより、引継ぎ等が行ってもらいやすくなるという効果もあります。他方、退職日まで出勤してもらう必要性が乏しい場合は、残年休の買い上げは約束せず、原則どおり、退職日までに残年休を取得してもらうことになります。

 退職勧奨に応じて合意退職した場合、対象者は「特定資格受給者」に該当し、雇用保険の失業給付に関し、いわゆる会社都合退職の取り扱いを受けます。会社都合退職となれば、自己都合退職に比べて失業給付の基本手当が早く、長く受給できるというメリットがあります。失業給付は対象者の重要な関心事であり、退職届を提出すれば自己都合退職なると誤解している社員もいるので、丁寧に説明して不安を払しょくする必要があります。

 退職勧奨に応じた社員の退職日までの就労を免除し、所定労働日に所定労働時間勤務した場合と同じ賃金を払うことがあります。対象者が問題社員で出社されると職場の雰囲気が悪くなる場合、引継ぎをすでに終了し担当させる業務がない場合などに実施されます。

 また、関連会社での就職をあっせんしたり、再就職支援会社の費用を負担する等の就職支援を行ったりすることもあります。(岡本)

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