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未払い残業代

 企業が未払い残業代を請求されるケースが増えています。残業代をめぐるトラブルが増えている背景には2つの要因があります。

 まず、働き方改革の本格化で当局の監視が厳しくなってきていることです。監督署の勧告を受けて残業代の支払いに応じた企業数は、2018年度で1700社。5年前に比べて25%増。 2つ目は人手不足が原因で転職者の増加していること。未払い残業代の請求は、在職中より退職後にされることが多い。仕事をしている間は、人間関係や立場が悪くなることを心配する人が多いからで、転職を機に働いていた職場の条件に疑問をもち、あるいは日頃の不満を外部に相談し、未払い残業代の請求に動く人が増えています。たとえ本人に勤務時間を証明する記録がなくても、会社にタイムカードなどを開示させるケースもあるからです。

 特に残業代が生じやすいのは中小企業です。そもそも経営者が違法と認識しておらず、社員から訴えられて初めて気づく場合が多くあります。未払い分を請求された企業は支払いを拒むケースは少ない。裁判になり企業側の管理方法や対応が悪質と判断された場合は、制裁として未払分と同額の付加金が課される可能性をおそれるからです。

 一方で4月からの法改正では残業代請求が急増する懸念もあります。これまでは、残業代を含む未払い賃金を企業に請求できる期間は労基法で2年と定められていましたが、4月以降は当面3年になる見込みで、将来的には5年という案も検討されています。これは4月に改正民法が施行され、すべての債権の消滅時効が原則5年になるのに合わせた措置です。

 1ヶ月あたり100時間未満をはじめとする昨年4月に大企業に適用された残業時間の上限規制は、この4月から中小企業にも適用されます。仕事の付け回しをやめ、所定の時間で仕事を終えられるのかどうか。終らなければどうするのか。どのような方法でどう管理していけばよいのか。働く社員も働かせる企業側もそれぞれが効率的な働き方と時間管理に向き合わなければなりません。(岡本)

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