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2025年 大阪・関西万博
2025年大阪・関西万博の開催まであと5年になりました。
高度経済成長を導いた「オリンピックから万博へ」のリレーを再現し、また2兆円とされる経済波及効果に期待は膨らみます。
しかし、70年万博と現在では取り巻く環境が大きく違います。
当時の万博は、産業技術の見本市であって、最新技術で近未来を体験させる形式が主流でした。
冷戦下だった70年万博では、国威発揚のためにアメリカや旧ソ連が積極的に参加し、アメリカがアポロ計画で月面から持ち帰った「月の石」が人気を集め、万博史上最多の6400万人の来場者が押し寄せました。
一方、現在は、巨大IT企業による最新技術の見本市も各地で開催されており、それだけに万博への要求水準は極めて高くなっている。
近年の万博は、環境問題など「課題解決型」が展示内容の主流になっていて、来場者も減少傾向で、存在感がなくなっています。
大阪万博のコンセプトは「いのち輝くみらい社会のデザイン」ですが、いま想定する未来が、5年後には時代遅れになっている可能性もあります。
また、その相乗効果に期待するIR計画の行方も万博の運営に影響を与えます。府・市はIR事業者に会場へ延伸する地下鉄の整備費の一部を負担させる方針ですが、スケジュール上、万博前や期間中にIRを全面開業することは難しいばかりでなく、万博会場の隣接地でカジノを開業することに、ギャンブルは万博の理念にそぐわないとの根強い批判すらあります。
また、そもそも大阪がIR開業地に選定されるかは未定で、そこへ今回のIR事業をめぐる汚職事件。
課題は山積です。(岡本)