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パワハラ防止

2019.06.05 Wednesday
 先月29日に、労働施策総合推進法などの改正案が成立しました。職場でのパワーハラスメント防止策を企業に義務付けることが柱です。
 パワハラについてはこれまで法律上の定義がありませんでした。改正法はパワハラとは/場において行われる優越的な関係を背景とした言動業務上必要かつ相当な範囲を超えたもの身体的、精神的な苦痛を与えること―と定め、「行ってはならない」と明記しました。ついては、社員のパワハラを禁止するよう就業規則などに盛り込むほか、相談者のプライバシー保護の徹底も求めています。
 また、パワハラが常態化し行政指導しても改善が見られない場合は、企業名を公表することとし、大企業は2020年、中小企業は22年にも対応を義務づけられます。ただし、労働者側が求めていた罰則付きの規定は見送られました。
 厚労省の調べでは従業員が1000人以上の大企業では9割近くが相談窓口の設置などすでにパワハラ対策を実施しています。しかし、従業員規模が小さくなるほど実施企業は減り、99人以下の中小企業では約2割にとどまります。法律で義務付けても取り組む余裕がない中小でどこまで実効性のある取り組みができるかは不透明です。
 厚労省がつくる指針では、昨今、問題化している就活生やフリーランスに対するハラスメント行為を防ぐことも企業に求める方針です。企業は、社外の相手に対するセクハラやパワハラも禁じるよう、就業規則に盛り込むことなどが想定されます。
 パワハラ6類型のうち、「過大な要求」「過少な要求」といった項目は行為の線引きが難しく、また、そもそもその行為がパワハラにあたるか否かの線引きは、必要な指導との区別が難しく、指針をつくる議論は今後の難航が予想されます。(岡本)
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時給千円の悲鳴

2019.05.31 Friday
 日本商工会議所などの中小企業の団体が、政府が進める最低賃金引き上げの議論に反対する緊急提言を発表しました。中小企業から負担が重すぎるとの意見が多く、異例の反対声明です。
 最低賃金は毎年、学識者や労使代表が集まる審議会で7月から8月にかけて議論され決まります。企業は最低賃金以上で雇用しなければならず強制力があります。
 政府はこの最低賃金を決める審議会に先立ち、6月にまとめる経済財政運営の基本方針骨太の方針で、全国平均で早期に最低賃金を1000円にする目標を明記する方向です。
 最低賃金は、政府の意向を忖度してか、16年から3年連続で3%程度の引き上げが続いています。中小企業の賃上げ率は18年は1.4%。ところが、最低賃金の引き上げに伴い自社の賃金を引き上げた企業の割合は19年度は38%で、これは16年度比で12.6ポイントも上昇しています。人手不足もあって賃上げをせざるを得ないのがホンネで、これ以上の賃上げは経営体力を奪うと感じる経営者が増えています。
 現在の最低賃金は全国平均で時給874円。都道府県ごとに物価などの経済状況を反映するため、最も高い東京都985円と最低の鹿児島761円には224円の差があります。地方への影響が心配です。
 政府では、最低賃金の引き上げが消費の底上げに役立つと分析。最低賃金の平均が12年の749円から18年の874円まで124円上昇したことがパートタイマーの賃上げにも波及し、9200億円規模の消費押し上げ効果があったとしています。また企業にとっても人手不足の中で優秀な人材を確保する武器にもなります。
 政府内には賃上げによる中小企業の負担軽減策として税制を優遇する案などがあがっていますが、何よりも中小企業が安心して最低賃金を上げるには環境整備が重要です。限られた財源と折り合いをつけつつ有効な支援策を講じられるかがカギになりそうです。(岡本)
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時短の波

2019.05.18 Saturday
 小売・外食産業で深夜や24時間営業を見直す「時短の波」が広がっています。
深夜営業をやめれば収入は減りますが、バイト代の急上昇や時給を上げても人が集まらないなど現場の深い悩みが理由です。
 コンビニの場合、加盟店が人件費を負担する為、本部の改革への腰の重さが批判を浴びましたが、外食やスーパーでは、直営店が多く人件費の上昇が直接業績に響くため、時短の動きが相次ぎます。
 各社が時短に踏み込むかどうかの分岐点は、深夜営業することで得られる収入とそのコストのバランスです。例えば、牛丼などの外食チェーン。一店の深夜営業の売上高が3万5千円として、アルバイトの人件費や原材料などのコストが3万円であれば5千円の利益になります。これを全国1千店で毎日深夜営業すれば利益総額は18億円(5,000円×1,000店×30日×12ヶ月)。逆に、深夜に店を閉めればその分は機会損失になります。しかし、足元で人手不足と人件費増は加速の一途で、深夜に営業しても利益を上げづらくなっているのも現状です。収入減を覚悟で時短にかじを切る大きな要因です。
 一方で、営業時間を短縮し、深夜に従業員が不要になる分、ピークの昼と夜に従業員を増員。席の案内や料理の提供を迅速化し、客の待ち時間が減る分、食事にかける時間が増えて追加注文につなげるファミレスなど、機会損失をチャンスに転じる試みも進みます。
 商品力や立地に加え、人手不足対策の巧拙が競争力を左右します。(岡本)
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不合理な格差

2019.05.14 Tuesday
 4月に施行された労働時間改革と並ぶ「働き方改革」の柱が、「同一労働同一賃金」です。安倍さんは、同一労働同一賃金の実現で非正規を一掃すると宣言し、政府は非正社員と正社員の格差是正を労働政策の最重要課題としました。
 同一労働同一賃金と格差是正は厳密には区別して考える必要があります。同一労働同一賃金は賃金の決め方の話ですが、格差是正は契約の話です。従来は性差別や最低賃金に反しない限り、契約は自由のはず(契約自由の原則)でした。
 一方で、労働人口の4割を占める非正社員の所得改善は、消費拡大を目指すアベノミクスの中心政策の一つで、選挙向けにもなります。また企業にとっても労働力不足の中で非正社員の就労意欲を損なわないためには格差は小さい方がよい。つまり、同一労働同一賃金は、契約自由の原則への介入だとしても、経済政策としては政労使三方良しでした。
 ただ、法律の規定は問題が残ります。法律で定めるのは、正社員と非正社員の間の不合理な労働条件格差の禁止であり、同一労働に同一賃金を命じるものではないので、同一労働同一賃金という「看板」は正確性を欠いています。それと、最も深刻な問題は、均衡のとれた待遇の実現を企業の努力義務にとどめず、義務としたことにより、従業員が裁判によって争うことが可能になりました。
 これにより、保護される非正社員の範囲は拡大しましたが、許されない「不合理な格差」とは何かという根本問題は未解決のまま改正法は施行されました。処遇改善に期待する非正社員がいる一方で、多くの企業は労働条件をどう設定し直すのか困惑しています。政府は新法に向け指針を設けていますが、今までの人事制度とのかい離が大きくことと、次々に出された裁判も判例が安定しません。
 今年2月に東京と大阪の高裁で、アルバイトへの賞与の不支給や契約社員への退職金の不支給を違法とする判決が出ました。有期の非正社員に賞与や退職金が支払われないのは、その是非はともかく雇用社会の常識だったため、最高裁が最終的にどう判断するか、強い関心が寄せられています。(岡本)
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電子マネー

2019.04.20 Saturday
 厚労省は、現在は現金と金融機関への口座振り込みしか認めていない従業員への賃金支払いを、新たにスマホのアプリを使った電子マネーを解禁する方針です。背景には、4月の改正出入国管理・難民認定法(入管難民法)の施行で、この夏以降、新たな在留資格「特定技能」を持つ外国人労働者の来日があります。
 労基法第24条では賃金については「通貨で、直接労働者に、全額を支払わなければならない」と規定し、現金払いを原則としています。その上で例外として、省令により銀行などへの口座振り込みを認めています。もちろん省令改正後は、日本人労働者も電子マネ―での賃金受け取りが可能になります。
 外国人労働者は、日本国内の企業に勤務しているなど一定の条件を満たせば口座開設はできますが、その際、本人確認が難しく、銀行によっては日本人社員の同伴を求める場合があります。中小企業では口座開設をサポートできず、賃金を現金で支払うケースは多い。ところが、現金払いでは、記録が残らないため不当に賃金を少なくされたり、寮で生活する技能実習生の給料が別の実習生に盗まれるケースもあるといいます。
 勤務先が電子マネーを導入しても賃金の受け取り方法は現金、口座振り込みを含めて従業員側が選択できます。
 アメリカでは、600万人が電子マネーで賃金を受け取っています。しかし、便利さと引き換えに労働者の賃金が消えてしまうような事態になっては大変です。国は電子マネー業者の健全性をチェックし、資金保全策に万全を期すべきです。(岡本)
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渋沢栄一

2019.04.12 Friday
 1万円、5千円、千円札が一新されます。新元号「令和」のスタートを前に新たな紙幣の発表で新時代を盛り上げます。2024年度の新札発行は、小泉内閣の04年以来20年ぶりだそうです。
 1万円札の肖像は、数多くの企業設立に携わり日本資本主義の父と呼ばれる「渋沢栄一」が選ばれました。経済成長を重視する政府の狙いが込められているのでしょうか。
 日本は海外に比べて現金指向が高い。GDPに占める現金の割合はアメリカ8%、韓国6%に対して日本は20%。世界で最もキャッシュレスが進み中央銀行がデジタル通貨の発行を検討するスウェーデンはわずか1.4%です。スマートフォン決済が普及する中国では、現金の流通額は1年前から2%減少しているのに対して、日本ではむしろ現金の流通がこの10年間で3割も増えています。その背景には日銀の超低金利政策の下で、銀行に預けず家計に眠る「タンス預金」の存在があります。
 日本でクレジットカードや電子マネーなど現金を使わないキャッシュレス決済の比率は現在20%ですが、経産省では、これを25年に40%にする目標を掲げています。10月に予定されている消費税増税に伴うポイント還元対象も、キャッシュレス決済を条件にしている。
 渋沢栄一、津田梅子、北里柴三郎3人のお札の寿命が20年として、6年後、キャッシュレスの比率がグーンと高まっていることは間違いない。仲良くなりたいのに最初から疎遠になることが分かっている関係。これって、いったいどうなんでしょうか。(岡本)
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突き押し+a

2019.03.30 Saturday
 「大関の名に恥じぬよう、武士道精神を重んじ、感謝の気持ちと思いやりを忘れず、相撲道に精進してまいります。」27日、幕内最年少22歳、関脇貴景勝の大関昇進が正式に決まりました。
 貴景勝が築き上げた独特の攻撃スタイルは完全に確立されています。頭からぶち当たって下から上へのもと手突き。距離を取りながらの突きと引きのコンビネーションに瞬時のいなし。好不調の波が激しいとされる突き押し相撲で、三役直近場所は13、11、10勝と2桁に乗せた。
 一方、この春場所は10勝どまりで、尻下がりの成績に不安も残ります。「上位が慣れてきている」「研究されてきている」との声も。また、「同じ相撲ばかりとっている」とも。これに対し本人は、「この体ではまわしを取るのは厳しいし、自分が持っている少ない武器をもっと磨く。それしか生き残っていく道はない。」と突き押し一筋を貫く考えです。立ち合いのスピードや馬力など伸びしろはまだまだあります。
 しかし、四つに組まれたら何もできない現状は改善していく必要がありそうです。「突き押し+a」を身につけられるかどうか。それがかなえば、この大関は手が付けられなくなりそうです。(岡本)
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1年の猶予

2019.03.27 Wednesday
 残業時間の規制などを柱とする働き方改革関連法がいよいよ4月から施行されます。月100時間以上の残業や、非正規という理由で待遇に不合理な差をつけることを禁じます。年休5日の付与義務、時間ではなく成果を重視する脱時間給制度も始まります。
 ただし、中小企業は適用が大企業より1年遅れます。残業上限は20年4月、同一賃金については21年4月からです。中小の残業代の割増賃金率を大企業と同じ水準に引き上げる措置は23年4月からで、政府の当初案よりも適用時期を1年遅くしました。十分な準備期間を求める意見に配慮した格好です。
 残業の上限や同一賃金を実現するには、企業は生産性の引き上げや働き手の確保、人件費の負担増などへの対応が必要です。特に同一賃金は、給与システムを大きく見直す必要もあり、中小は大企業と比べ人事や労務の担当者が少ないのが実情。また深刻化する人手不足も要因の一つです。
 1月の有効求人倍率は1.63。企業の採用意欲は旺盛で特に中小は人材確保に苦戦しています。生産性を上げながら無理なく待遇を確保するには十分な準備期間や国の支援も必要です。日本商工会議所の調査では、中小のうち残業上限について、「対応済み・めどがついた」は46%、同一賃金については31%とそれぞれ半分にも満たない。いまだ制度改正の内容を理解していない経営者も少なくありません。結果的に適用時期がずれることになったわけですが、猶予されることで負担増が遅れる中小に対し、大企業が中小に対し部品などの調達価格の引き下げを求めていく懸念も残ります。
 働き方改革を自主的に進めている企業も多くあり、実施時期が遅れることで企業間の格差がさらに広がる恐れも残ります。(岡本)
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革命家

2019.03.23 Saturday
 日米通算4367安打のマリナーズのイチローが今週、現役引退を発表しました。
 オリックス入団3年目の1994年。登録名をイチローに変更したこの年、レギュラーに抜擢され、日本プロ野球初のシーズン200安打超えを達成。しかし、先日の会見では、「楽しかったのはこの年まで」と言います。翌年以降は、「すごく番付を上げられ、力以上の評価をされて苦しかった」と苦悩の日々を語っています。
 野球の教科書になかった振り子打法は、常識的な指導者からは理解されず、例えると天動説の時代に地動説を唱えるようなもの。その革新性に周りはついていけません。
 プレイヤーとして最盛期を過ごしたマリナーズですが、チーム自体はぱっとしない中、ひとり安打を打ち続け、またその安打の中に多くの内野安打があったことも、依然としてパワー信仰が大きいアメリカの評価が分かれたことも事実です。
 メジャーでも安打を生産し続けることでしか誤解を解くすべはなく、09年には108年ぶりのメジャー新記録となる9年連続の200安打を達成しました。埋もれていた歴史を発掘するに至って、イチローは紛れもなく革命家と認知されました。
 「新しい世界に挑戦することは勇気がいる。できると思うから挑戦するのではなく、やりたいと思うから挑戦する。そうすればどんな結果でも後悔はない」。独自の技術を編み出した28年の現役生活。野枠の枠を超え、日本全体を勇気づける革命家であり続けました。(岡本)
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コンビニの老化

2019.02.23 Saturday
 日本に上陸して50年。今、コンビニは岐路に立っています。
 昨年の全国でのコンビニ既存店での売上高は9兆7000億円で、前年を0.6%上回り2年ぶりにプラスになりました。しかし、客数は3年連続で前年を下回っています。 ネット通販や食品への扱いを広げるドラッグストア、外食配達サービスなどあらゆる業態が参入し、コンビニにとっては試練の時代に突入しています。
 深刻なのが客の高齢化です。来店客に占める60歳以上の比率は約2割で、これは、国内総人口に占める60代以上の比率の伸びを大きく上回ります。各社は、牛乳や納豆などスーパーで扱う食品を充実させたり、塩分抑え目の商品を投入したりと高齢者の取り組みに躍起です。ただ、そうすると今度は、副作用として若者のコンビニ離れが進んでくる。これに対してコンビニも、ドン・キホーテ流の売り場にしたり、スマホで弁当を注文し店舗で受け取るなどのサービスで若者をつなぎとめようと、巻き返しも活発です。スマホ決済を導入し、利用客の購買データを収集し、購買履歴に合わせた商品を提案することも始めています。
 1970年代に誕生したコンビニは、スーパーや銀行など様々な業態の顧客を取り込んで成長してきました。今度はそれの意趣返しではないでしょうが、経営環境が厳しさを増すなか、客層、顧客開拓の手法、ビジネスモデル・・これらの「老い」の刷新なくして次の成長シナリオは描けません。(岡本)
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