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技能実習制度

2019.08.26 Monday
 外国人技能実習制度は、「発展途上国の人材育成を通じた国際協力であり、途上国への技術移転」が目的のはずでしたが、実際は、「単純労働力を日本に受け入れる裏口」になっていました。4月の改正出入国管理法施行で単純労働力受け入れの正規ルートができ、今、存在意義は薄れています。
 厚労省によると、技能実習生が働いている事業所への2018年の調査で、全体の7割にあたる5100事業所で長時間の残業や賃金の未払いといった法令違反が確認されました。違反事業所の数は前年に比べ22%も増え、5年連続で過去最高を更新しました。
 技能実習性の待遇をめぐってはこれまで様々な問題が指摘されてきました。政府は制度の手直しを繰り返す一方、人手不足も背景に受け入れ数を年々拡大し、いまや日本で働く実習生は30万人を超えています。結果、事態は改善するどころかむしろ悪化してきました。
 構造的な問題として指摘されるのは、国際協力の美名のもとで実習生が労働者としての基本的な権利を奪われていることです。働き先となる事業所を選べず、いわゆる転職もできないため、極めて弱い立場に置かれています。
 入管法の改正は、廃止も含めて技能実習制度を抜本的に見直す機会でした。しかし、実際は問題に深くメスを入れることなく、新たに設けた在留資格の「特定技能」にいたる前段階として実習生を位置づけました。育てたはずの人材を本国に返すのではなく、もっと日本で働いてもらおう、というわけです。建前として掲げてきた国際協力の理念を政府は自らないがしろにし、単純労働力の受け入れという本音をあらわにしました。特に問題なのは「いずれ特定技能の資格を得られる」という期待を実習生に抱かせ、過酷な待遇を耐え忍ぼうとする姿勢を強めてしまうことです。
 特定技能をめぐっては改善すべき点は多くありますが、単純労働力の受け入れルートを特定技能に一本化することが先決です。(岡本)
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リニア大阪延伸

2019.08.08 Thursday
 リニア新幹線は、2027年に先行開業する品川−名古屋で建設工事が始まっていますが、どうやら静岡工区の着工ができないため、その完成が遅れそうです。そうすれば大阪延伸も玉突きで遅れることになります。最短で37年に予定される大阪延伸に黄信号がともっています。
 静岡工区は、南アルプストンネルのうち静岡県内のわずか8.9舛龍茣屬任垢、県民が生活用水として利用する大井川と交差する為、リニア工事で大井川の水量の減少への懸念がその理由とか。もともと、品川−名古屋間では神奈川、山梨、長野、岐阜の各県に1駅ずつ建設されますが、静岡県内は地形の関係でトンネルのみで駅はなく、静岡県には地域振興どころかダメージのみとの思いは強い。
 これにやきもきするのは愛知もそうですが、大阪も同じです。最終駅の新大阪には今年3月、おおさか東線が乗り入れ、今後、阪急電鉄が新大阪まで新線を建設し、46年には北陸新幹線の新大阪乗り入れが検討されています。駅周辺ではホテルやオフィスビルの建設が相次ぎます。しかし、関係者の間では「今は名古屋までの開業が精いっぱいで、とても大阪までは手が回らない」のが実情のようです。
 リニアが東京−大阪で全面開通すると、東京、名古屋、大阪の3大都市圏がリニアによって一体化し、人口7000万人の超巨大都市圏(スーパー・メガリージョン)が誕生します。経済規模は340兆円となり、これはイギリスやフランスを上回ります。移動時間の短縮は、単身赴任が減り、地方移住が進むとのプラスの見方がある一方で、首都圏がストロー効果でヒト、モノ、カネを吸い上げ、東京一極集中がさらに加速するとの懸念もあります。
 いずれにしろ、リニアの延伸は、今後の人口減少による経済規模の縮小を考えると、早ければ早いに越したことはないのですが・・。(岡本)
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教育訓練給付

2019.07.29 Monday
 人生100年時代を迎え、定年後も長く働き続けるには「学び直し」が重要になります。そこで国は、雇用保険の加入者に資格取得費用の一部を補助する制度を相次いで拡充しています。
 従来ある制度で一番ポピュラーなのが、1年以内の資格取得などを目指す「一般教育訓練給付」です。資格学校などでのPC技能、英語、簿記、ファイナンシャルプランナーなど、4月時点で1万1700講座が対象になっています。受講費用の2割(上限年10万円)が給付されます。
 加えて、10月からは早期のキャリア形成に役立ち、資格の合格率が全国平均以上などの基準を満たす講座について、受講費用の4割(同20万円)まで給付する「特定一般教育訓練」という枠組みができます。1年以内で取得できる公的な職業資格や、難易度の高いITの資格取得のための講座が想定されています(8月上旬公表予定)。
 さらに、従来ある制度が時間をかけて専門的な知識を身につける「専門実践教育訓練給付」です。看護師、介護福祉士、美容師など公的資格、MBA向け専門職大学院など、4月時点で2400講座が対象になっています。給付は受講費用の5割(上限年40万円)で、3年コースなら計120万円。これまで原則1〜3年の講座が対象でしたが、4月からは新たに4年コースも一部追加されました。
 専門実践教育講座は期間が長いだけに、仕事をやめて勉強する人も多くいます。このため受講開始時に45歳未満の離職者なら、生活費として「教育訓練支援給付金」も受けられます。雇用保険の失業手当の期限が切れた後、この8割を受講終了まで受給できるというもの。
 ただし、これらの制度の対象はいずれも雇用保険の原則3年以上の加入者です。対象講座は厚労省のサイトで調べることができます。(岡本)
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ジョブ型正社員

2019.07.19 Friday
 政府の規制改革推進会議は、ジョブ型正社員の法整備の検討を2020年度に始めるよう厚労省に求めました。労働契約を結ぶ際に職務や勤務地を契約書で明示するよう義務付けます。解雇時の訴訟リスクを抑えることで企業が導入しやすくする狙いです。 
 日本では正社員の職務の範囲を無限定としている場合が多く、このことが過重労働につながるとの指摘があります。ジョブ型正社員を導入すれば、子育て中の人も安定した待遇の下で様々な働き方を選べます。また職務を絞れば専門人材を採用する受け皿にもなります。
 一般に多様な正社員(限定正社員)とは、いわゆる正社員(従来の正社員)と比べ、配置転換や転勤、仕事内容や勤務時間などの範囲が限定されている正社員のことを指し、区分は、
*勤務地限定正社員→転勤するエリアが限定されているか、転居を伴う転勤がないか転勤が一切ない正社員
*職務限定正社員→担当する職務内容や仕事の範囲が他の職務と明確に区分され、限定される正社員
*勤務時間限定正社員→所定労働時間がフルタイムではない、あるいは残業がない正社員
 現状、正社員とそれ以外の労働者との間には処遇に大きな開きがあり、この一点をとっても、正社員というだけで満足度は高まります。もちろん、職務や勤務地などに何らかの限定を設けている分、限定のない正社員より賃金は低くなりますが満足度は高まる。企業側からすれば、多様な正社員制度を導入すれば、労働者を満足させつつコストを抑えることができます。
 一方で、非正規雇用労働者の場合、特定職務に雇用されることが多いため、職務限定正社員との親和性は高い。厚労省も職務給の観点から非正規雇用労働者の基本給を見直すことを示唆していますので、そういう意味からも「職務限定=ジョブ型」の雇用を検討すべきです。ちなみに2019年4月から新たに設けられた「高度プロフェショナル制度」の対象労働者は、典型的な職務限定正社員です。(岡本)
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カルピス100歳

2019.07.10 Wednesday
 乳酸菌飲料のカルピスは発売からこの7日で100年がたちました。「初恋の味」カルピスは幅広い世代に親しまれています。
 カルピスは1919年(大正8年)に発売されました。パッケージの水玉模様は、発売日の七夕にちなんで天の川をイメージしたもの。最初は青色地に白い無地玉で、後には白地に青い水玉にしました。発酵させた脱脂乳にカルシウムと砂糖を加えた飲み物は、カルシウムの「カル」とサンスクリット語での味覚の一つを示す「ピス」を合わせて商品名をカルピスとしました。ラムネが8銭、牛乳が10銭の時代に、ビン入りとはいえ1円60銭もする高価な飲み物でした。なお、Calpisが牛の尿の意味の英語cow piss「カウピス」と聞こえることから、米国ではCALPICO(カルピコ)という名称で販売されています。
 戦後は、多くの人たちに愛される飲み物になりましたが、家で水で薄めて飲むというスタイルは次第に敬遠されるようになり、昭和の後半に販売は頭打ちになりました。転機になったのは、91年のカルピスウォーター発売です。やや薄い味わいで、水で薄めなくてもそのまま飲めるようにしました。この年、ヒットの目安の100万ケースを大きく上回る200万ケースを売りました。2012年にアサヒグループホールディングスの傘下に入り、現在ではアサヒ飲料がカルピスを生産しています。ちなみに私は、「濃いめのカルピス もも」や「濃いめのカルピス 夏みかん」がお奨めです。
 少子化で国内市場が縮小するなか、今後は、大人にもっと飲んでもらうためのカクテル向けの飲み方を提案したり、健康志向が高まってきている東南アジアでの売り込みを強化するといいます。(岡本)
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大阪封鎖

2019.06.24 Monday
 G20大阪サミットがこの28~29日、日本で初めて開催されます。G20の舞台は、咲洲(さきしま)と呼ばれる大阪ベイエリアの人工島にあるインテックス大阪です。大阪を訪れる各国首脳、海外メディアなど関係者3万人に対し、全国の警察からの応援を含め3万2千人の警備体制で臨み、これら会場を中心とした警戒や検問は国内では史上最大規模になります。
 これまでに日本で開催された洞爺湖サミットや伊勢志摩サミットでは、いずれも都市部から離れた地域で開催され、会場に向かう道路や交通手段は限定されましたが、G20は各国首脳の宿泊先が大阪市中心部に、それも広範囲に点在することや、また先週、吹田で拳銃強奪事件が発生したこともあり緊張感が高まります。
 交通規制では、27日~30日は阪神高速の大方が通行止め。JR大阪駅周辺など一般道でも規制がかかり、マイカーの自粛や営業車両の使用中止を呼びかけています。このため、企業活動の自粛を決めているところもあり、会社は、従業員には有給休暇を取得させ対応するようです。
 大阪には年間1100万人の訪日客があり、こちらの方への影響も無視できません。観光スポットの休館やツアーの中止もあり、主要駅ではコインロッカーも使えなくなり訪日客はもちろんビジネス客も不便を強いられそうです。交通規制への配慮から27、28日は小中高校も休校にするところも多くあります。
 この度の「大阪封鎖」、物流の停滞や消費減など経済社会に大きな影響が見込まれる一方、海外メディアで大阪が紹介され、世界にアピールする絶好のチャンスになります。まさに損して得を取れるか。(岡本)
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1.42の衝撃

2019.06.12 Wednesday
 2108年の合計特殊出生率が1.42となり、前年から0.01ポイント下がり低下は3年連続です。合計特殊出生率は、1人の女性が一生の間に産む子供の平均数のことで15歳〜49歳の女性が産んだ子供の数をそれぞれの年齢別の人口で割って合算します。現状の人口を維持するには2.07が必要とされています。世界的にも出生率は先進国を中心に低下傾向で、近年は発展途上国が2.90に対し、先進地域では平均1.56。先進地域のなかでいち早く保育関係の施設を充実させたフランスやスウェーデンでは1.5〜1.6台まで低下した後、近年は1.8〜1.9まで回復しています。
 また、18年に生まれた子供の数(出生数)は91万人でこちらの方も3年連続右肩下がりで、3年連続で100万人を割り込んでいます。戦後の出生数のピークは敗戦間もない1949年の269万人ですから70年弱にして3分の1近くまで落ちたことになります。
 しかし、真に懸念すべきは出生数が100万人を割ったことではなく、今後も出生数減少の流れが止まりそうもないことです。出生数はこれから坂道を転げ落ちるように減り2065年には55万人、2100年には30万人にまで落ち込むと予想されています。
 日本は少子化がハイスピードで進み、推計では、2018年時点で1億2000万人の人口が40年後には9000万人を下回りやがて100年もたたないうちに5000万人ほどに減ります。
 つまり少子高齢化や人口減少の本番はこれから。父親と母親から子供が1人しか生まれないということは、折り紙を半分に折るのと同じことです。紙の面積は半分になる。さらに折り紙を半分に折ることになり面積は4分の1になる。こうして次々と半分に折っていくと大きな紙はあっという間に極小の面積になります。
 政府は結婚して出産したいという希望がかなった場合の出生率を1.8程度にまで回復させることを目標にしています。しかし、日本では国のさまざまな制度や文化は専業主婦の妻と正社員の夫という昭和モデルから抜け出せていません。共働きの不自由さは保育サービス不足をみても明らかです。3歳から幼児教育・保育がタダになるといわれても、0〜2歳で預け先が見つからなければ共働きはおぼつかない。
 人口の自然減は18年、過去最大の44万人に達しました。安倍さんは少子高齢化を国難と位置づけています。社会の構造的な問題ととらえ新しい時代に合ったシステムづくりが急がれます。(岡本)
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パワハラ防止

2019.06.05 Wednesday
 先月29日に、労働施策総合推進法などの改正案が成立しました。職場でのパワーハラスメント防止策を企業に義務付けることが柱です。
 パワハラについてはこれまで法律上の定義がありませんでした。改正法はパワハラとは/場において行われる優越的な関係を背景とした言動業務上必要かつ相当な範囲を超えたもの身体的、精神的な苦痛を与えること―と定め、「行ってはならない」と明記しました。ついては、社員のパワハラを禁止するよう就業規則などに盛り込むほか、相談者のプライバシー保護の徹底も求めています。
 また、パワハラが常態化し行政指導しても改善が見られない場合は、企業名を公表することとし、大企業は2020年、中小企業は22年にも対応を義務づけられます。ただし、労働者側が求めていた罰則付きの規定は見送られました。
 厚労省の調べでは従業員が1000人以上の大企業では9割近くが相談窓口の設置などすでにパワハラ対策を実施しています。しかし、従業員規模が小さくなるほど実施企業は減り、99人以下の中小企業では約2割にとどまります。法律で義務付けても取り組む余裕がない中小でどこまで実効性のある取り組みができるかは不透明です。
 厚労省がつくる指針では、昨今、問題化している就活生やフリーランスに対するハラスメント行為を防ぐことも企業に求める方針です。企業は、社外の相手に対するセクハラやパワハラも禁じるよう、就業規則に盛り込むことなどが想定されます。
 パワハラ6類型のうち、「過大な要求」「過少な要求」といった項目は行為の線引きが難しく、また、そもそもその行為がパワハラにあたるか否かの線引きは、必要な指導との区別が難しく、指針をつくる議論は今後の難航が予想されます。(岡本)
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時給千円の悲鳴

2019.05.31 Friday
 日本商工会議所などの中小企業の団体が、政府が進める最低賃金引き上げの議論に反対する緊急提言を発表しました。中小企業から負担が重すぎるとの意見が多く、異例の反対声明です。
 最低賃金は毎年、学識者や労使代表が集まる審議会で7月から8月にかけて議論され決まります。企業は最低賃金以上で雇用しなければならず強制力があります。
 政府はこの最低賃金を決める審議会に先立ち、6月にまとめる経済財政運営の基本方針骨太の方針で、全国平均で早期に最低賃金を1000円にする目標を明記する方向です。
 最低賃金は、政府の意向を忖度してか、16年から3年連続で3%程度の引き上げが続いています。中小企業の賃上げ率は18年は1.4%。ところが、最低賃金の引き上げに伴い自社の賃金を引き上げた企業の割合は19年度は38%で、これは16年度比で12.6ポイントも上昇しています。人手不足もあって賃上げをせざるを得ないのがホンネで、これ以上の賃上げは経営体力を奪うと感じる経営者が増えています。
 現在の最低賃金は全国平均で時給874円。都道府県ごとに物価などの経済状況を反映するため、最も高い東京都985円と最低の鹿児島761円には224円の差があります。地方への影響が心配です。
 政府では、最低賃金の引き上げが消費の底上げに役立つと分析。最低賃金の平均が12年の749円から18年の874円まで124円上昇したことがパートタイマーの賃上げにも波及し、9200億円規模の消費押し上げ効果があったとしています。また企業にとっても人手不足の中で優秀な人材を確保する武器にもなります。
 政府内には賃上げによる中小企業の負担軽減策として税制を優遇する案などがあがっていますが、何よりも中小企業が安心して最低賃金を上げるには環境整備が重要です。限られた財源と折り合いをつけつつ有効な支援策を講じられるかがカギになりそうです。(岡本)
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時短の波

2019.05.18 Saturday
 小売・外食産業で深夜や24時間営業を見直す「時短の波」が広がっています。
深夜営業をやめれば収入は減りますが、バイト代の急上昇や時給を上げても人が集まらないなど現場の深い悩みが理由です。
 コンビニの場合、加盟店が人件費を負担する為、本部の改革への腰の重さが批判を浴びましたが、外食やスーパーでは、直営店が多く人件費の上昇が直接業績に響くため、時短の動きが相次ぎます。
 各社が時短に踏み込むかどうかの分岐点は、深夜営業することで得られる収入とそのコストのバランスです。例えば、牛丼などの外食チェーン。一店の深夜営業の売上高が3万5千円として、アルバイトの人件費や原材料などのコストが3万円であれば5千円の利益になります。これを全国1千店で毎日深夜営業すれば利益総額は18億円(5,000円×1,000店×30日×12ヶ月)。逆に、深夜に店を閉めればその分は機会損失になります。しかし、足元で人手不足と人件費増は加速の一途で、深夜に営業しても利益を上げづらくなっているのも現状です。収入減を覚悟で時短にかじを切る大きな要因です。
 一方で、営業時間を短縮し、深夜に従業員が不要になる分、ピークの昼と夜に従業員を増員。席の案内や料理の提供を迅速化し、客の待ち時間が減る分、食事にかける時間が増えて追加注文につなげるファミレスなど、機会損失をチャンスに転じる試みも進みます。
 商品力や立地に加え、人手不足対策の巧拙が競争力を左右します。(岡本)
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