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無期転換の申し込みがなされることを避けるために雇止めをすることの是非

有期契約労働者の無期転換に関して、厚生労働省の「無期転換ルールのよくある質問(Q&A)において、「無期転換ルールの運用を免れる意図をもって、無期転換申込権が発生する前の雇止め等を行うことは、労働契約法第18条の趣旨に照らして望ましいものではありません。また、使用者が有期労働契約の更新を拒否した場合(雇止めをした場合)、労働契約法第19条に定める雇止め法理により、一定の場合には当該雇止めが無効となる場合があります。

と、指摘されているように、単に無期転換を避けるためというだけの理由では、客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められないものとして、労働契約法第19条に基づき雇止めが否定されることにあります。

雇止めを検討する場合には、単に無期転換を避けるという理由以外に、雇止めを行う客観的合理的な理由が存在するのか、検討を要します。他方で、契約当初から期間の定めのある労働契約の更新上限を設け、そもそも無期転換申込権を発生させないという雇用管理をすることは許容されます。

なお、契約当初においては更新上限の定めが設けられていなかったものの、事後的に更新上限を定めたというような事案では、いったん発生した合理的期待を消滅させるものとまでは言えないとして、労契法19条2号が適用される傾向があります。

したがって、無期転換申込権の発生を回避するのであれば、当初から、更新上限の定めを設けて労働契約の締結をすることが肝要です。

なお、令和6年4月1日からは、「通算契約期間又は有期労働契約の更新回数の上限」が労働条件明示の対象とされた上、有期労働契約の締結後、新たに更新上限を設けたり引き下げたりする場合には「あらかじめ、その理由を労働者に説明しなければならない」ともされていますので、更新上限を設ける場合には留意が必要です。

給与面や人事面からの雇止めは、契約当初から更新上限が設けられていれば別ですが、労契法19条2号に基づき雇止めが否定されるリスクは否めません。雇止めをするのであれば、単に無期転換を避けるという理由ではなく、雇止めを行う客観的合理的理由があるのか、今一度その理由について検討すべきです。(岡本)

 

 

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