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企業と雇用関係を持たない個人請負労働者のメリットとデメリット

今、職場では、色々な雇用形態の人が働いています。いわゆる正社員(正規労働者)、非正規といわれる人には、契約社員、定年後の嘱託社員、派遣社員、主婦パートに代表されるパートタイマー、学生などのアルバイト、中にはフリーターと呼ばれる人達もいます。それと、個人の自営業者で、個人請負労働者とか業務委託といわれる人たちです。こういった人たちは、「フリーランス」と呼ばれています。企業に雇われずに自営で働く人。個人自営業です。

また、フリーランスの中でも、近年の情報化、オンライン化またコロナ禍を経て、「ギグワーカー」(ネット経由で自分のスキマ時間を有効に活用する―「単発の請負労働者」といわれる)が増ました。例を挙げれば、自転車やバイクで料理を運ぶウーバーイーツの配達員で、分かりやすく言えば、昔からある寿司屋や蕎麦屋の出前部分の外注化です。また、アマゾンの軽貨物の配達員。これらはいずれも個人事業主です。

企業がこれらフリーランスと契約するメリットとデメリットを考えます。まずメリットは、一言で言えば、「正社員を抱え込まなくてすむ」ということです。ついては、

・コスト(社会保険料、福利厚生費、時間管理や残業時間の把握などの手間)が削減でき、

・業務量の変動に対応しやすく(繁閑の人員の調整がし易い)、

・専門職による業務の効率化が図れる(仕事のプロ集団)、ということが考えられます。

一方で、そのデメリットとしては、

・人材の囲い込みが難しい(基本的に一社専属ではない)、

・業務の質の確保が難しい(職人さんにも当たり外れがある)、といえます。

 

次に、フリーランスとしての、働く側のメリットは

・自分のペースで仕事ができる(必要なときに必要なだけ)

・業務量を増やすなど高い収入が得られる(残業規制がない)

一方、デメリットは、

・社会保険や福利厚生が適用されない(ケガや病気は、自己責任)

・契約期間や収入が不安定(契約の変更や打ち切り)。

業務委託契約を結んだ受託者を自社の従業員と同じように指揮命令下に置くと、これが「偽装請負」になります。フリーランスを常駐させると、どうしても自社の従業員と同じように「つい、うっかり」と扱ってしまいがちです。偽装請負は労災や残業代などトラブルの原因になります。

フリーランスとの取引についての新しい法律(「フリーランス・事業者間取引適正化法」)が11月にスタートします。この法律は、フリーランスが安心して働ける環境を整備するため

・フリーランスと企業などの発注事業者の間の取引の適正化と

・フリーランスの就業環境の整備

を図ることを目的としています。

書面による取引条件の明示(業務委託をした場合、書面により、直ちに、業務の内容や報酬額、支払期日など取引条件を明示する)や禁止行為(受領拒否、報酬の減額、不当な給付内容の変更、やり直し)などです。また、育児・介護と業務の両立に対する配慮またハラスメント対策の体制整備などが盛り込まれています。(岡本)

 

 

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