
今までにお問い合わせのありました質問に関して、いくつか簡単にお答えさせていただきます。
一たん、権利の生じた年次有給休暇は、どのような目的に利用しようと、どのような時季に取得しようと労働者の自由であるとされています。
ただし、年次有給休暇請求権は、労働関係が存続していることが前提となっているので、労働者が退職ないし解雇された場合には、年次有給休暇請求権は消滅することになります。
裏を返せば、労働者として在籍している限り、たとえ退職直前であっても年次有給休暇の請求はできるわけで、これに対して、使用者は請求された時季に休暇を与えることが「事業の正常な運営を妨げる」場合に限って、年次有給休暇を拒否することが許されますが、これとても労働者の退職日以降に時季変更はできないから、結局のところこれを認めざるを得ないことになります。
使用者の行う解雇については、30日前の解雇予告が労基法上義務付けられていますが、従業員側からの退職については労基法は何も定めていません。
そこで民法の一般原則に戻ってみると、雇用契約の場合、解約の効果は原則として申入れの後2週間を経過することによって生じることになります。
したがって、2ヶ月前の申し出を義務付けることができるかどうかというと問題です。そこで、義務としてこれを定めるのではなく、努力義務として、例えば「原則として1ヶ月前までに申し出ようにしなければならない。ただし、やむを得ない事情がある場合は2週間前までに申し出ることができる。」というような形で、業務に支障を生じないようなるべく早めに申し出ることを求めるようにするということが適当と思われます。
労基法第67条は、「休憩時間のほか、1日2回各々少なくとも30分」の育児時間を請求できるものと定め、「使用者は、前項の育児時間中は、その女性を使用してはならない」と定めています。行政解釈では、「生後満1年に達しない生児を育てる女性労働者が、育児のための時間を請求した場合に、その請求に係わる時間に、当該労働者を使用することは、法67条違反である。その時間を有給とするかいなかは自由である」。と示されています。
この回答によれば、どの時間帯に利用するかは労働者本人の判断に委ねられるということであり、事実上の遅刻や早退を認める結果になるような始・終業時刻に接着した利用も、それが育児のための時間として請求されたものである以上は、使用者としては拒むことはできないということになります。
もともと会社組織は多数の者が集まって協力し合うことが前提とされており秩序や協調性が必要不可欠なものとされています。その意味では協調性に欠ける者は、会社組織には馴染まないとされても致し方ないところかも知れません。
さて会社が取りうる措置としては、懲戒処分もしくは普通解雇が考えられます。解雇については、共同作業等協調性が特に必要とされるような職場において本人が協調性を欠くことにより職場の秩序が阻害された場合で、注意等によっても改善が見込めない場合において、解雇も致し方ないものとして認められるものと考えます。会社としては、まず本人に対して注意、指導を行い、改善していくことが可能か、他部署への配転が可能か、検討しそれでも致し方ない場合において、懲戒処分あるいは解雇という措置を検討するのが相当でしょう。
遅刻等の時間数にもよりますが、1日分の所定勤務時間数を欠務していないのに、遅刻等が3回となると1日分の賃金が減額されるという場合が生じると考えられます。このような取扱いは、いわゆるノーワーク・ノーペイの原則によって説明することはできません。
行政解釈も「遅刻・早退の時間に対する賃金額を超える減額は制裁とみなされ、法91条に定める減給の制裁に関する適用を受ける」とし、また「この場合就業規則の制裁の章に規定する等の方法によって制裁である旨を明らかにする方が問題を生ずる余地がないから適当である」としています。
労基法による割増賃金の支払い義務を定めた37条の規定は、41条によって適用を除外された者以外の全ての労働者に適用があります。年棒制度賃金の適用者を除外するという定めは労基法上ありませんから、これらの者が法定の時間外労働等の割増賃金の支払いが必要な労働を行った場合は、割増賃金を支払わなければなりません。
なお、年棒制適用者が仮に裁量労働制によるみなし労働時間制の適用者であるとしても、そのみなし時間が法定労働時間を超える場合は割増賃金は必要となります。年棒額には割増賃金を含む(定額残業手当)、ということであれば、いくら含まれているかが明確に定められ、他と区別できるものでなければなりません。
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